高校生が写真と言葉で伝える私のふるさと~小松高校編~
LOVE SAIJO 編集部 2018年7月11日
全国の高校生を対象に、学校対抗で民家や町並みの中に込められた地域の文化への思いを写真と文章、プレゼンテーションで競う「民家の甲子園」愛媛県大会が6月17日(日曜日)に開催されました。
この大会は、「地域を愛する心を育んで欲しい」との思いのもと、大会実行委員会が主催。今年のテーマである「巡」を題材に、全国大会の予選会となる愛媛県大会には6校(8チーム)がエントリーしました。
その中から、県立小松高等学校の地元愛溢れる作品をご紹介します。
左から総合体育文化部の冨永さん、大下さん、稲井さん
草木は…時代を巡る
小松高校は、石鎚サービスエリアの近くの小高い丘の上にあります。正門から後ろを振り返ると、このような坂が延びていて、私たちは毎日この坂を上って通学し、この坂を下って下校しています。
この坂は、小松藩で藩の人々の教育に尽力した近藤篤山(とくざん)先生の名前から「篤志(とくし)の坂」と呼ばれています。
小松高校のスクールカラーは緑です。草木は、季節を巡り時代を巡り、人々の生活を眺め続けています。私たちは「緑」をサブテーマとして町内を巡り撮影しました。
【入口?出口?】
小松高校前の風景です。小松高校生が入学以来、通学で毎日通る道であり、卒業した時に最後に通る道でもあります。そんな風景を、今回の私たちの旅のスタートに選びました。
【木線】
学校の近くにある『円覚山佛心寺』の山門前です。学校前の木々が私たちを見守ってくれているように、山門前の木々もお寺に訪れる人々を見守っているのでしょう。
木々の目線は、毎日何を見つめているのでしょうか。
【小さきものたち】
『円覚山佛心寺』は、小松藩の藩主・一柳家の菩提寺として建立され、小松藩ゆかりの山門や建物などが移築されています。古文書や歴代藩主の書跡など貴重な資料も多く残されていて、小松文化の宝庫と言われているそうです。
私たちは撮影中にご住職に案内され、たくさんのお話を聞く中で、歴史あるお寺であるにもかかわらず僧侶不足に悩まされていると聞きました。そこで、山門ではなく、敢えて雑草に焦点を合わせて撮影をしてみました。
佛心寺をあとにした私たちは、休日であるにもかかわらず、ほとんど人とすれ違っていないことに気づきました。旧小松町の人口は、昭和60年代の1万数百人をピークに減り続け、現在は8,700人を切っています。
人が住んでいない家が増えており、民家が民家として機能しなくなってきていますが、都会から人を呼んで古民家再生に取り組み始めている地域もあると聞きます。
小松町がその道を進む前に、私たち若い世代が地域に住み、地域を盛り上げていけるといいと強く感じました。
【見つめてみた。】
この付近には、もう人が住んでいない古い民家が、次世代に残したいけど残せないかもしれない景色がたくさんあります。周りにいた多くの猫たちは、この家に何か思い出があるのかもしれません。家を眺めている今、何を思っているのでしょうか。
過去、現在、未来、一つの家に様々な感情が渦巻いていることでしょう。
【先見えぬ橋】
町内にあった名もない小さな橋です。手前を現在、奥を未来と仮定し、撮影しました。
ぼやけている先にどんな未来が待っているのでしょうか。そちらに焦点が合ったとき、私たちは、小松町を盛り上げられる存在でいたいと思います。
小松高校のホームページはこちら
https://ehm-komatsu-h.esnet.ed.jp/cms/
「民家の甲子園」の詳細はこちら
https://www.minka-kousien.com/
高校生が写真と言葉で伝える私のふるさと~西条高校編~はこちら
https://www.lovesaijo.com/education