のびのびとした田舎の環境でも最先端の教育に触れられる
LOVE SAIJO 編集部 2018年3月27日
自慢の一つは、「ICTを活用した教育」です。驚くことに、このまちの小中学校には、すべての普通教室に電子黒板が設置されています。
※ICT=情報通信技術
このテクノロジーを使ってできるのは、電子黒板に画像やインターネットの画面を投影したり、タッチペンで黒板に文字を書けたりすることだけではありません。
電子黒板やスクリーンを使えば、各校を遠隔でつなぎ、教室の壁に他校の教室を投影し、あたかも同じ空間にいるような環境が作れます。
西条市には、1,000人規模から十数名までの規模の小学校があり、人数の一番少ない田滝小学校は全校児童で13人。
小規模学校の子どもたちも、この遠隔授業を通して各校間で交流を深めながら質の高い教育が受けられています。
西条市の「広報さいじょう」ではICT教育に関してこんなふうに解説しています。
当市では、教育の情報化に関するさまざまな先端的な取り組みを行ってきました。その目的は、①ICTを活用したわかりやすい授業で子どもたちの学力を向上させること、②校務支援システムの導入で先生らの負担を軽減し、子どもたちと向き合う時間を増やすことです。
「子どもたちは、はじめは、恥ずかしがったり、嫌がったりすることもありましたが、次第に表現することが楽しくなったり、他校の児童と触れ合うことにより、表現力に幅が出てきましたね」と田滝小学校の藤原先生は話します。
ICTを活用する授業では、子どもたちの意欲をかきたてる工夫にも気を遣っています。
同じことを伝えるにしても、隣の子に対してと、スクリーンの向こうの他校の相手に対してでは、伝え方が違ってくるのは想像がつきますよね。
子どもたちも、スクリーン越しに、伝えたいことを伝えるにはどのようにすれば良いのかを考えるようになってきているといいます。
例えば、他校の友だちに発表するための準備を入念にしたり、伝えるための工夫としてクイズ形式で発表したり、子どもたちが自発的に考える機会づくりがICTを活用した遠隔授業によって生まれています。
田滝小学校の子どもたちは、他校の児童と一緒に学んだり、話し合いができるのが楽しいと話します。
この取り組みは、「中1ギャップ」を防ぐこともねらっています。
いわゆる「中1ギャップ」とは、小学生が新たに中学校に進学したときの学校生活や、勉強、人間関係など新しい環境になじめないことが原因の不登校やいじめなど、さまざまな問題が出てくる現象のことです。
徳田、田野、丹原、田滝の4つの小学校は丹原東中(生徒数:261人(平成29年度))に進学します。それまでの環境からのとまどいを少しでも減らすため、ICTを活用した4校合同の授業が役立ちます。
遠隔授業を経験していれば、中学校で一緒になると自然とコミュニケーションが生まれます。
今も、遠隔授業を一緒に行った子ども同士がスーパーで出会うと、子どもたちは自然にあいさつしているそうですよ。親は「ねえ、今のどこの子?」って、当然相手の子のことを教わるそうですが。
規模が小さくても、いや、小さいからこそ、積極的に新しい技術を活用することで、できることがあります。
西条市では、ICTで可能性が大きく広がっています。
こうした取り組みにより、平成30年1月30日に開催された「第2回全国ICT教育首長サミット」で、西条市は、最優秀賞の一つである「2018日本ICT教育アワード」を受賞しました。
※「2018日本ICT教育アワード」は、加盟自治体の中で最も優れた取組みをしている1つの自治体に与えられる賞。
「子どもに最先端の教育に触れてもらいたい」でも、「のびのびとした田舎の環境で育てたい」そんな思いを抱く保護者のかた、西条市のことを調べてみてください。
便利なまちなかの暮らしもいいけど、思いっきり外遊びをするなら、丹原のほうののどかな環境もいいな、と大人になって思います。
西条市の教育環境は、自分に子どもが生まれたら、こんな環境で育てるのもいいなぁと思わせてくれるものでした。