え?陸上自衛隊で防災訓練⁉ 西条高校「防西’s」の挑戦!
LOVE SAIJO 編集部 2023年10月20日
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西条高校の商業科3年生で構成される「防西’s」。西条の皆さんの防災意識を高めるため、自ら様々な防災活動を体験し、その体験を伝える活動を行っています。
今回、防西’sが訪れたのは、なんと、陸上自衛隊 松山駐屯地。西条高校生が自衛隊の駐屯地を訪れるのは初。しかも、高校生の宿泊研修は、松山駐屯地でも珍しいとのこと。超レア体験の様子をお届けします。
1.陸上自衛隊の災害派遣について学ぶ
今回、防西’sが陸上自衛隊を訪れたのは、陸上自衛隊の防災活動について学ぶため。
陸上自衛隊の仕事の1つが「災害派遣」。地震や台風などの自然災害が起きた時、陸上自衛隊はその地域の市町村と連携して、人命救助、医療、物資輸送など、様々な活動を行っています。
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説明を聞くまなざしは真剣そのもの。
災害時に使用する設備も見せていただきました。
ちょうど訪問した日は、台風が近づいているということで、トラックには水害時の救援物資が積み込まれていました。出動要請が入った際には、初動部隊が1時間以内に出発できるよう、常に2台のトラックはスタンバイ状態にしているそうです。
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トラックへの登り方のコツも教えてもらいました。
初動部隊の大きな役割の1つが被災地での情報収集。被災地の状況や必要物資を正確に把握・連絡し、続いてやってくる本隊に連絡します。初動部隊用の倉庫内には、食糧をはじめ、雪害用の設備や情報通信設備など、様々な備品が用意されていました。
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必要なものをすぐに取り出せるよう、すべての備品が整理整頓されています。
車に乗って広い基地内も紹介していただきました。縫製工場などもあり、すべてが基地内で完結できるようになっているというお話には驚き。
2.実技訓練でスキルアップ!
見学だけではありません。自衛隊で様々な実技も体験しました。
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自衛隊式整列では、左から右へ身長順に並ぶそうです。
まずは、救急法。“圧迫止血”と“緊縛止血”を教えてもらいました。“緊縛止血”は大出血が起きた時に使われる止血の最終手段だそうです。実際に陸上自衛隊で使われている止血帯を使って実践です。
自身が怪我をした場合には自分自身で止血ができるよう、自衛隊の止血帯は片手でも使えるようになっています。救急法検定の1つに、1分以内に自分自身で緊縛止血をするテストがあるとのことで、高校生たちもチャレンジしました。
また、自衛隊の迷彩服の秘密も教えてもらいました。なんと棒2本と上着で簡単に担架が作れてしまうんです!
高校生が乗っても大丈夫!
様々な場面で使えるロープワークも教えてもらいました。
西条市内の小学校でロープワークの講習会も開いている防西’s。自前のロープで次々と結び方をマスターしていきました。
実習は外でも行います。
水害時を想定した土のう作りにもチャレンジ。
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自衛隊ではスコップのことを“えんぴ”と呼ぶそうです。
土のう作りのポイントは、よく叩いて平らに固めること。そうすることで、4段、5段と高く積み上げることができ、土のうと土のうの間からの浸水も防ぐことができるそうです。
3.自衛隊での生活も体験!
食堂で隊員の皆さんと同じ食事もいただきました!
ごはんはセルフサービスで盛り放題。大盛りのごはんをぺろりと平らげる高校生達。さすがです。
3回の食事を食堂でいただきましたが、どれも美味しく高校生も大満足!隊員の皆さんは訓練で身体を動かすので、しっかりカロリーと塩分が摂取できるよう計算された献立だそうです。
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大きなカレイの唐揚げなのに、骨が丁寧に抜かれているのに驚きました。食べやすい!
基地内にはコンビニもあります!普通のコンビニに売っている食料品はもちろん、迷彩柄のリュックや帽子などの日用品、お土産用に陸上自衛隊のお菓子やグッズも販売されていました。
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自衛隊の制服を着たクマのぬいぐるみが可愛い。
宿泊場所もご紹介。女子のお部屋は隊員の皆さんが生活する女子寮フロアの1室。綺麗なフロアにはお風呂や洗濯設備も完備。
ベットメイキングの方法も教えてもらいました。2枚の毛布の内、1枚は敷布団のように使い、シーツは10円玉が跳ねるくらいピンと張るそうです。すごい!
どこでも寝られる編集担当は翌朝6時のラッパの音が鳴るまでぐっすりでしたが、中には夜中に目が覚めてなかなか寝られなかったという子も。それでも、研修2日目を元気に頑張りました!
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陸上自衛隊では傘を使わないので、雨の日にはカッパで実習!
4.限界の先で見えたもの
陸上自衛隊の中でも最も過酷ともいわれるレンジャー教育訓練を修了した堀さんにお話を聞くこともできました。
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ヘリから降下するときのロープワークを見せていただきました。
堀さんは自分の限界に挑戦したいと思い、過酷なレンジャー訓練にチャレンジしたそうです。限界の先で堀さんが感じたことは、人間は弱い。しかし、仲間のため、守りたい人のためなら限界を超えて奮い立つことができる。ということだったそうです。
防西’sメンバーも改めて仲間の大切さを感じたようでした。
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防西’sのみんなも堀さんのお話に聞き入りました。
5. 守りたい人のために
防災の考え方に「自助」「共助」「公助」があります。
自分や家族を守る「自助」、地域の人々で助け合う「共助」、市役所や自衛隊の支援にあたる「公助」。
今回の研修を通して、防西’sは、陸上自衛隊の「公助」について理解を深めたとともに、実習を通して「自助」スキルもパワーアップしました。今後、これらの体験を伝える活動を通して、西条市の「共助」も強化されることでしょう!
今回、研修させていただいた陸上自衛隊のキャッチコピーは、「守りたい人がいる」。
あなたも大切な人のために、災害への備えを再確認してみませんか?
▼西条高校HP
https://saijo-h.esnet.ed.jp/
▼防西’sの活躍はこちらでも
防災の活動を体験し、西条市全体へ!西条高校「防西’s」
https://www.lovesaijo.com/education/bousaizu202305/
▼災害への備えはこちらも参考に
https://www.city.saijo.ehime.jp/soshiki/kikikanri/bousainohi202209.html