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丹原高校から西条市内へ “未来の教室”広がってます!

丹原高校で取り組んでいる“ルールメイキングプロジェクト”。校則の見直しを通して、様々な立場の人と対話し、納得解を創るプロセスを学ぶ取り組みです。

経済産業省が進める“未来の教室”実証事業にも採択されており、全国的にも盛り上がりを見せているこの取り組み。9月には東京のイベントに丹原高校生が招待されました。

さらに、10月には丹原高校生が西条高校を訪れて出張ワークショップを開催!その取り組みは西条市内に広がっています。

丹原高校が取り組む「やってみたい!」から始まる新しい学びの場の“今”をレポートします。

 

1.楽しいから“やってみたい”へ

丹原高校に取材に行った日。なんと、ルールメイカーの皆さんは全国紙からオンラインインタビューの真っ最中。さすが全国的に注目されている取り組みです。

記者さんの「なぜ、ルールメイキングに取り組んでいるのか?」という問いに、
「校則を変えたいから!」
という回答。それ以外にあるの?と思いながら聞いていると、

「校則を変えたいよりも、自分がスキルアップしたいという思いで続けています。」と話す子も。

正直、驚きました。

ルールメイキングで大切にしているのは“対話”。相手の意見を否定せず受け入れ、話が弾む場を作り、様々な人の意見を引き出し、それを元に納得解を創る。間違いなく社会で求められるスキルです。そんなスキルを高校生で身につけたいと気がつくなんて。

あの名台詞を言わせていただきましょう。

また、丹原高校での“ルールメイキングプロジェクト”は、生徒会活動でも、委員会活動でも、部活動でもありません。“有志”の取り組みなんです。

今年は60名以上の有志の生徒がルールメイカーとして活動しています!

「自分自身の成長を実感して“楽しい”からやっている。」
「学校へ来るモチベーションにもなった。」
生徒の“楽しい”を引き出し、“やってみたい”に繋げる。“やらされる”から“自分がやる”へ。主体性を育む活動でもあるんだなあと感じました。

ルールメイカーの会議は笑顔が絶えません

そして、丹原高校での“ルールメイキングプロジェクト”に忘れてはならない先生がいます。それが谷口 大祐先生です。

なんと、谷口先生は、2023年6月に全国にたった9人しかいない“ルールメイキング教員アンバサダー”に選ばれました。谷口先生が大切にしているのは、みんなの“やってみたい”を創造すること。まさに、丹原高校での取り組みそのものです。

 

2.全国から100人の中高生が集合!

今回、取材を受けていた5名は、9/24に東京で開催された“ルールメイキング サミット2023”に招待されたメンバー。書類選考を経て、今年は全国22都道府県、44校から100名の中高生が招待されましたが、なんと丹原高校生が応募したルールメイキングに掛ける熱い思いを語った動画は、推薦6作品にも選出されたそうです!

サミットを主催した認定NPO法人カタリバの古野さんと東京会場で記念撮影

サミットでは、ルールメイキングに取り組む中高生と交流できたのはもちろん、社会で活躍するルールメイカーとのトークセッションも行われました。

5人にサミットで印象的だった話を聞くと、普段の学校生活では出会えない様々な人と出会ったことを教えてくれました。
・校則を全部廃止し、必要な時にその都度ルールを作るという方法に変えた中学生
・自分は日本を変えたいのに、学校を変えられない!と、悔しさを語る高校生
・この校則を変えたい!と学校に訴えても全く変化がなかったため、「みんなの個性を尊重する」という共通認識を作ってから、そのためには校則変えないといけないね。と考え方のアプローチを変えたという高校生

多様な考え方に触れた経験は、5人の“やってみたい”の更なる原動力になったようです。

またグループセッションの進行役としてもサミットに参加していた谷口先生。全国から集まったバックグラウンドの異なる学生たちの一期一会の場を作るのは緊張したとお話してくれた谷口先生にも、印象的な高校生がいたそう。それは、全体に向けて思いを話す場でのことだったそうです。

「こういう場で話すとき、よく、はっきりと自分の意見をまとめて発言することが求められる。でも、はっきりと言葉にできないこと、正解が分からないことを言える場が大切なんじゃないか

上手く言語化できていない“もやもや”とした意見をそのまま伝えて良い場。そんな漠然とした意見でも受け入れてくれると信頼できる場

あなたの周りはどうでしょうか?

 

3. 丹原高校生が西条高校で出張ワークショップを開催!

丹原高校の“ルールメイキングプロジェクト”は、西条市内に広がっていっています。
10月6日には、初めて丹原高校のルールメイカー8名が西条高校を訪問し、出張ワークショップを開催しました。

西条高校では、SSHの一環として、校則見直しの研究を行っているチームがあります。そのチームの4人が丹原高校に“ルールメイキング”の取り組みを聞き取り調査したことから縁が生まれ、7月末に開催された“ルールメイキング四国地域生徒交流会“で、西条高校生が発した「丹原高校生に是非西条高校に来て、ワークショップをやってほしい!」という話が実現したのです。

西条高校の参加希望者を募集したところ、テスト最終日で疲れている放課後にも関わらず、なんとクラスや学年を超えて66人の西条高校生が集まりました。

そして、そのワークショップは、想像以上にめちゃくちゃ盛り上がったそう

「予想では、全然発表してくれる人いないんじゃないかと思ってたんですが、めちゃくちゃ挙手してくれて驚きました」
「高校は違うけど、やっぱりみんな校則へのもやもやを抱えてるのは一緒なんだって。でも、それを発言する場がなくて。今回のワークショップでは普段のもやもやを話し合う良い場になったなと思いました」

“もやもや”を共有できる場づくりが、丹原高校から西条市内へ広がっています。

 

4. 自分で自分の未来を創る

取材の中で印象的だった言葉があります。
「人前で発言するのはとても勇気がいって、なかなか発言できない自分がいました。でも、勇気を出して発言してみたら、みんなが自分の意見を受け入れてくれて、意見を言うのはこんなに簡単なことだったんだ。と思ったんです」

自身を受け入れてくれるという場への信頼が、様々な立場の多様な意見が集まる場を作り、多様性を受け入れた納得解の模索へつながる。

三人寄れば文殊の知恵。でも、誰も発言しなければ、その場からは何も生まれないでしょう。
たくさんの人の知恵を寄せ合い、自分の生きる場所を自ら創っていく第一歩。それが未来の教室での学びなのかもしれません。

そして、その未来への学びは、丹原高校から西条市内へ広がっています。
“楽しい”から“やってみたい”を引き出し、自分を創る、学校を創るへ。それは、一人一人の未来を創るにつながると感じました。

 

▼丹原高校HP
丹原高校ルールメイキングプロジェクトの最新情報はこちらから
https://tambara-h.esnet.ed.jp/

▼認定NPO法人カタリバ みんなのルールメイキング公式HP
https://rulemaking.jp/

私が書きました

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