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8/17の花火の正体は? 禎祥寺観音堂を囲む地域の思い

こんにちは!LOVE SAIJO編集部の日野です。

新型コロナの影響で、各地の夏のイベントが中止になりました。
「観音堂の花火」として親しまれる西条市の市民納涼花火大会もその例外ではありません。しかし!いつも花火大会のある8/17の夜、7分間ほど花火が空を彩りました。

偶然近くを通りかかった私の写真。

SNS上では、「感動した」「素敵なサプライズ」「幸せな時間だった」と喜ぶ市民の声がたくさん。

日野「今流行りのコロナ退散ゲリラ花火…?」

いやいや、この花火はそういう主旨ではないそうです。

上喜多川の集会所

どうやら、禎祥寺がある地域、上喜多川の方々が中心となったと情報を入手したので、お話を聞きに行きました。

日野「こんにちは!単刀直入ですが、あの花火はどういうことだったんですか?てっきり、花火大会は中止やと思っとったんですが…」

お話を伺った青年団長の黒川陽介さん。編集部撮影

黒川「お騒がせしました(笑)。毎年のイベントの『市民納涼花火大会』は中止になったんやけど、この花火のもともとの意味は、天正13(1585)年のこの日の豊臣秀吉の四国征伐の戦(天正の陣)。花火は攻めてきた小早川隆景の軍勢との戦で命を落とした地域の兵たちを弔うための送り火なんです。」

日野「単なるイベントの花火じゃないということですね」

戦場となった野々市原古戦場〈通称千人塚〉。西条市野々市

黒川「ほうやね、禎祥寺 観音堂のある地元としては、供養のための法要や送り火を435年続けてきて、今年コロナを理由に辞めるんはいかんのんじゃないか、という意見が出て。寄付を募ったんやけど、結果、『観音堂有志一同』として、花火300発分くらいの資金が集まりました。」

日野「すごい!今はクラウドファンディングとかありますが、完全にこの地域だけで、成し遂げたということですよね。」

黒川「はい、寄付は上喜多川住民有志や近隣の企業さんからです。協力を仰ぐために、地域の寄り合いごとに自分が参加して説明し、主旨や熱意に共感してくれた方が協力してくださった形です。自分らの地域のことに熱心な人たちが多いなと再認識しました。」

日野「伝統をみんなで大切にしてるんですね」

黒川「僕自身、上喜多川の出身ではなく、ここに住みだしたのは結婚してからです。客観的に見ても、地域の熱量が高いなと思いますね。

観音堂の内部。歴代の自治会の人たちの写真や名前が並ぶ

今年は特別な年です。最近毎年しよった藤の花食堂もできん、祭りもできん。

藤の花

GWの時期、見ごろを迎えた見事な観音堂の藤。西条市の春の名所

けど、この花火は、伝統の送り火として上げる。地元として大事に受け継いできたことですから。8/17の午前には弔いの法要を毎年催しとるんやけど、これも感染拡大に気を付けながら例年通り行いました。この日中の法要と送り火がセットで一つの行事だと思っています。

法要に参加する自治会や青年団の人たち。提供:上喜多川青年団

この状況を機に、歴史を改めて振り返れたけんよかったとも思いよんですよ。図書館で文献なんかも引っ張ってきて、調べなおして。天正の陣を知らんかった若い子にも本来の意味を伝えることができました。

法要の様子。提供:上喜多川青年団

 

 

郷土のさむらいをまつる千人塚

 

僕が今年で青年団長の任期を終えることもあるし、世話人をやるからにはちゃんと次の世代につなぎたいですね。西条まつりも、コロナ感染拡大に配慮しながら、何ができるか考えているところです。」

日野「そんな思いがあってのことだったんですね!気持ちだけでなく、実行できるところが本当にかっこいい。お話どうもありがとうございました。」

右から2番目が青年団長 黒川陽介さん。前が息子の匠くん。左から、前青年団長の石川智弘さん、青年団 星加裕之さん、安永孝正さん。提供:上喜多川青年団

 

編集部では、このようなまちの人たちを取材して伝えたいと思っています。

何かを続けている、みんなでがんばっている、楽しんでいる…、元気な地域やチームがあれば、ぜひ教えてください!

私が書きました

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