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紡ぐ・繋ぐ1.5世紀 〜飯岡小学校150周年行事〜

今日の行き先は母校

 

1.夕暮れの太鼓

今年のお祭りも足早に駆け抜け、日没が早くなったある日の夕暮れ時、ふとメッセージが届く。

「太鼓の音、聞こえることない?」

飯岡小学校の150周年記念行事の、太鼓台運行に向けての練習だそうだ。

1世紀余りの歴史を誇る高欄幕に身を包んだ“野口太鼓台”が目指す先は、さらに長い歴史を誇る小学校。
12月に母校で再会する太鼓台。心が躍らないはずがない。

 

2.母校へと続く交差点

“ 今日の行く先は母校 ” という人々も多い師走の初日。

「先生、オレのこと分かる?」

太鼓台が通る道沿いの家から手を振る年配の男性に、お子さんの手を引く青年が応える。

ランドセルを背負って「おはよう」と出会い、「また明日ね」と分かれた交差点に、三体の太鼓台が集結した。

 

3.太鼓台との集団登校

冬にはイルミネーション、春にはパステルカラーのチューリップで彩られる畑を横に見ながら、校舎へと続く坂を下る。
今日の集団登校は、太鼓台と一緒だ。

思い出とともに、精一杯の汗と涙がしみこんだ運動場から空に向かって、高々と太鼓台が差し上げられる。

壁に刻まれた校訓のように、子どもと共に大人も、キラキラとした少年少女の目になる。

学び舎の天高く胴上げされた太鼓台と手の間から、青い宙が見えた。

 

4.紡ぐ・繋ぐ

150年の長きにわたって、今もなお歴史を紡ぐ校舎に、人々の思いを繋ぐ太鼓の音。

秋よりも早く、大きく傾きかけた太陽を追いかけながら、母校に背を向ける。

あとに続く数百メートルにも及ぶ人々の列に後姿を見送られながら、威風堂々たる帰洛である。

 

今回取材にご協力いただきました野口太鼓台の皆様、ありがとうございました!

 


5.さいごに

一月ほど前の秋祭りに、珍しい形の太鼓台の運行に参加した。
伊予三島の川原町さんの太鼓台は、四国で唯一と言われる「おわん型」。

太鼓のリズムは西条市と似通った部分が多いが、掛け声や担き方などは個性的かつエネルギッシュ。
西条のお祭りの数日後、早くも来年が恋しくなる自分にとって、刺激的な出会いとなった。

私が書きました

オニギリ

オニギリ

10年ほど前、知人の紹介で西条祭りに参加したことをきっかけに、この街が好きになり、現在は西条市民2年生です。西条市とお祭りは切っても切れない関係にありますが、お祭りと市民の皆さんの生活が深く結びついていると感じます。 もし、毎日を祭日のように過ごせたら、どんなに素敵でしょうか。これから「さいたーず」の一員として、お祭りや、そこに繋がる人々の心が感じられるような記事を紹介していきたいです。

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