「監督に鍛えられ、周桑っ子が掴んだ初の甲子園」 ~丹原高校編~ 【前編】
LOVE SAIJO若者サポートデスク 2021年6月11日
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丹原高校は1990年代、毎年のように県大会の上位進出を続けていました。しかし、松山商や宇和島東などの甲子園常連校の前にあと一歩で甲子園を逃すなど悔しい思いをしていました。そのような中、2000年の夏、丹原高校は初の甲子園出場を果たしました。当時の思い出やエピソードなどを当時キャプテンの渡邊修三(4番ファースト)さん、副キャプテンの木原崇(8番セカンド)さんにお話をお伺いました。
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当時副キャプテンの木原崇さん(左)と当時キャプテンの渡邊修三さん(右)
#井上監督の下で地元の子と一緒に甲子園に行きたい
「厳しかった。」とお二人は口を揃えて当時を振り返ります。
丹原高校は地元の近隣中学出身(軟式)を中心としたチームづくりで、県下でも有数の練習量を誇り、県内強豪校の仲間入りを果たしていました。渡邊さんは旧小松町出身、木原さんは旧東予市出身と生粋の地元っ子。そんな地元の先輩たちの背中を見て、「井上伸二監督のもとで野球をしたい(渡邊)」、「親父が丹原ファン。1992年の野口先輩の時代に球場に連れて行ってもらって、サッカーっ子から野球へと変わった。近隣の中学生だけで勝負ができる丹原で自分も甲子園を目指したい。(木原)」と丹原高校へと進学。
井上監督の指導のもと、気心の知れたチームメイトと一緒に日夜、厳しい猛練習に明け暮れました。
#監督の諦めない、執念が伝わった準々決勝
迎えた最後の夏、丹原は第3シード。
「今治西が第1シード、宇和島東が第2シードで格上だったので、倒すつもりでやっていましたが、周りも丹原が行くとは思ってなかったと思います。」
しかしながら、渡邊さん、木原さんのリーダーシップのもと、オーソドックスな野球を基本としつつ、例年とは違う打撃が光るチームに出来上がりました。
県大会で順当に勝ち上がり、迎えたナイターでの大洲高校との準々決勝。「あれがターニングポイントだった。」と話すように、試合は4回を終わり1-7とあわやコールド負けも覚悟しないといけない状況。「さらにまた1アウト満塁のピンチがあったが、これを凌いで、行ける!となった。」、「正直、諦めかけていたところもあったが、監督の諦めない執念が僕らにも伝わった。」とワンポイントリリーフなどを駆使し、ピンチを凌ぐと試合の流れは一気に丹原に。7回には一挙11点を奪い、逆に7回コールド勝ちを収めました。
勢いに乗った丹原は準決勝で宇和島東を8-2で下し、迎えた決勝の相手は同年春の選抜に出場した第1シードの今治西。連日の全校応援、OBの方をはじめ、地域の方がたくさん足を運んでくれたなか、この試合も打線が爆発し、13―6で勝利。念願の甲子園出場を果たしました。
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優勝して喜ぶナイン
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優勝後の整列
結果的にチーム打率は4割4分、歴代の愛媛県大会でも1位の記録を更新し、またその年の甲子園出場校中の地方大会のチーム打率が1位という記録を残しました。「小粒なほうで飛びぬけた選手はいなかったけど、たまたまです。」と謙遜しておりましたが、まとまりのあるチームだったからこそ、ここ一番の集中打が光った優勝でした。
さて、優勝の瞬間は二人の喜びもひとしおかと思いきや、
「実感がない…マジ!?っていう(笑)。(渡邊)」
「また練習せないかん…(笑)。2年生が多かったので、2年生は喜んでいたんですが…。(木原)」
と、意外な反応。優勝した瞬間は監督を信じて無心で取り組んだ結果だからなのかもしれません。とはいえ帰校後、全校生徒や地域の方も交えた優勝報告会と丹原のまちは大賑わい。「帰りよったら、まちのひとから(おめでとうと)声をかけてくれたりしてくれた。」と温かい祝福の声をいただき、また「テレビの取材がすごかった。」とちょっとした非日常も味わいました。
もちろん、練習は続きます。
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表彰式 左端が渡邊さん、右端が木原さん
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