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「大阪・御堂筋パレードにだんじりが参加!粋な動きに大きな拍手と歓声」【前編】 ~LOVESAIJO大阪便り~

皆さん、「だんじりの遠征」と聞いて何を思い浮かべますか?

西条まつり好きはおそらく、三重県伊勢市の伊勢神宮奉納を最初に思い浮かべたことと思います。西条まつりの屋台はゆかりのある伊勢や県外のイベントに行くことがあるのですが、実は大阪でも1998年10月11日(日)、大阪・御堂筋パレードに福武新田ふくたけしんでん屋台と仲町小川なかまちこがわ屋台の2台(伊曽乃神社例大祭に奉納する大町校区の屋台)が参加しました。私は当時小学校3年生。物心がついたころからお祭りが大好きでしたので、父に連れられ現地まで見に行った記憶があります。当日は多くの人手でごったがえしていて、沿道で人と人との間から背伸びしながらパレードの様子を見たというかすかな記憶しかありません・・(泣)ので、当時責任者として参加した仲町小川の柳原政彦やなぎはらまさひこさんにエピソードなどお話をお伺いしました。

柳原政彦さん

#西条まつりをアピールしたい!!

御堂筋パレードは毎年100万人以上を超える人出で賑わい、またテレビ生中継もあり、西条まつりをPRするにはもってこいのイベントでした。古くからの付き合いがあり、仲の良い地域同士の福武新田と仲町小川の2台は

「大阪の人たちに西条まつりを知ってもらいたい!!」

という思いから柳原さんを代表にイベントを主催する(財)大阪21世紀協会(※当時)に前年の1997年に飛び込みで出演の申し込み。その年の出演団体はほぼ決定していましたが、熱意を受け、翌1998年の参加に向けて担当者が来西するなど、準備を開始。途中、参加台数は1台のみという先方からの通達がありました。

しかし「だんじりは1台だけではダメだ。複数いるからだんじりの魅力が伝わる。」

と複数台の参加を要望。その後も度重なる要望の結果、ようやく認められました。金銭面の問題やだんじりを運び、現地で組み立てるための雨天時の組立テントの問題、荒天の場合等、ありとあらゆる想定をして、さらには

とにかく(台風等による)パレードが中止になる以外はだんじりをもっていくぞ!!」

という強い意気込みで本番まで先方と打ち合わせや準備を重ねました。

 

≪≪≪御堂筋パレードとは・・≫≫≫

(財)大阪21世紀協会(※当時)が主催し、大阪の秋の一大イベントとして有名。リオのカーニバルに代表される世界のまつり・踊り、全国郷土芸能、マーチングバンド、フロート等の各分野に分かれ御堂筋を行進。この年1998年は愛媛県では宇和島の牛鬼も参加しており、また幻となった『大阪オリンピック2008』招致の宣伝をしていました。

 

#バタバタ大忙しの出発と準備

パレード前日、西条では10日に例年開催の福武地区を氏子とする加茂神社祭礼がありました。仲町小川屋台も毎年奉納していましたが、この年はパレードの準備でバタバタするので、奉納を見送りました。

「福武新田は地元の地元なので、加茂神社祭礼に奉納して、即日解体、トラックに積み、翌日朝に大阪に向かう。本当に大変だったと思います。それだけ思いを込めて出してくれました。」と当時を振り返る柳原さん。また、ご存じのとおり、パレード終了後にはすぐ始まる本番の伊曽乃神社例大祭(10月15日、16日)です。

「ここで屋台を傷めたら、例大祭では奉納できない。覚悟を込めての出場でした。」トラック荷積みはもちろんのこと運行中も細心の注意を配りました。

さて、パレード当日です。幸いなことに、晴天に恵まれました。雨の心配はなさそうです。現地到着後、正午から中之島の公会堂にて、組立を開始。青年団を中心にてきぱきと屋台が組みあがっていきます。遠征というものは場所や時間の制限がよくあり、屋台の組立のスピード、手際のよさが求められます。さすがです。また大阪在住の祭り好きの方も見に来てくださり、バラバラだった100を超える部品から1つの屋台が組立てられる姿は珍しいと同時に釘を一本も使わないところは驚きだったと思います。

公会堂前にて組み立て(福武新田)

 

公会堂前にて組み立て(仲町小川)

完成後、ちょっとしたアルコール、試運転をしたいのは西条人の性。イベントの性質上、パレードのスタッフの方から常にチェックされていて、柳原さんの携帯によく心配の電話がかかっていたそうです。

完成後ちょっとした試運転

関西在住の西条市出身の舁夫かきふも合流。途中、旧西条市長の伊藤宏太郎いとうこうたろう(当時)さんも視察もかねて激励のあいさつに来てくれました。

旧西条市長伊藤宏太郎さん(右端スーツ)を交えて記念撮影

 

#超ハードでタフな運行です

パレードの開始は14:00から。参加者は90隊、約1万人で観客は130万人を数えました。西条だんじりの順番は78番目、終盤の登場です。出番まで休憩を兼ねてしばらくの間、英気を養います。西条まつりのPRが目的なので、腰巻き、法被は必ず着用の正装でパレード中はタバコ、お酒も禁止です!!


運行ルート

ところで、パレードの距離はどのくらいあるのでしょう。スタートの大江橋(大阪市役所)からゴールのなんばまでは3.3キロです。しかし、上図のルートのとおり、組立地の公会堂から御堂筋、最終地(解体場所)のJR難波駅まで測ってみたところ、約5.2キロ ありました。これは西条まつり(伊曽乃神社例大祭統一運行御旅所から)では休憩を含め延べ5時間以上かけて運行する距離です。後述のとおり元気よく運行しましたので距離はそれ以上になったかと思います。

さらには、パレードスタートから終了まで据えることもなく、動きっぱなしです。舁夫かきふの方はわかると思いますが、2時間以上据えることもなく、また水分補給もままならないなか、運行するのはとても大変なことです。また担ぐのが上手な2台ですが、舁夫かきふの負担を考えると、台車を外しての運行は厳しく、すべて台車をつけての運行です。しかし、この台車での運行が後に成功となりました。

出番までちょっと休憩 ※右が雨天時のテント

写真出典(一部):公益財団法人 関西・大阪21世紀協会

後編はコチラから

 

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