LOVE SAIJO まちへの愛が未来をつくる

MENU

移住に関するコンテンツ

移住サポート

TOP

MENU

お知らせ

【西条の山奥にある桃源郷】東之川を知っていますか?

西条市は総面積の約7割が森林で占められています。かつて、この広大な森林内には数十の村が点在しており、その一つに「東之川集落」がありました。

山々に囲まれたこの地は、かつての住民から「桃源郷のようだった」と称されるほどの美しい集落でした。

かつて多くの住民が生活を営んでいましたが、時の流れとともに人口が減少。平成24年に最後の住民が山を下りたことで、この集落は無人となりました。

現在、東之川は「深峡の廃村」として独自の風土と文化を残し、観光資源としての活用が進められています。その一環として「東之川探訪ツアー」の造成が計画され、観光関連有識者向けの体験会が開催されました。

LOVE SAIJO編集部も参加し、歴史や自然の魅力を体感。廃村探訪、森のアクティビティ、地元食材を使った食事、宿泊など、ツアーの構成予定コンテンツを実際に体験してきましたので、ご紹介します。

1. 東之川ってどこにあるの?

東之川と聞いて、すぐに場所が思い浮かびますか?西条市に住んでいても、訪れたことがある人は少ないと思います。

東之川は、西条市の山奥、高知県境近くの標高500~600mに広がる廃村。瓶ヶ森(亀ヶ森)を源流とする川沿いに位置し、市内から県道12号経由で約40分の場所にあります。石鎚登山ロープウェイ乗り場のさらに奥のエリアです!

2. 東之川集落の歴史の移り変わり

東之川は長い歴史を持つ集落であり、その形成と発展には時代ごとの特徴がありました。

参考:東之川パンフレット(作成:一般社団法人西条市観光物産協会)

東之川集落は、平家の残兵が身をひそめたのが始まりと伝えられています。

江戸時代には高知からの移住者が増え、明治時代には亀ケ森(瓶ヶ森)鉱山の開発で発展。昭和後期から離村が進み、平成24年に唯一の車道が崩落。最後の住民が山を下り、無人となりました。

 

3.いざモニターツアーへ参加

3-1.東之川エリア集落跡散策

午前9:30。集合場所は市内からバスでアクセス可能な「西之川バス停」付近です。

そこから市道東之川東西線に沿って上っていきます。

本ツアーでは、西条自然学校の理事長・山本貴仁氏による解説を聞きながら進みます。

東之川の入口には、大宮橋という橋が架かっています。
1927年(昭和2年)に完成した橋で、2005年に土木学会選奨土木遺産に認定されました。
2020年(令和2年)に修復工事が完了。強度回復及び長寿命化の修復が行われ、綺麗に生まれ変わりました。

大宮橋の先には、2012年9月に唯一の車道が崩壊したエリアが見渡せます。この出来事を機に、最後の住民が山を下りました。

東之川にはスギの木が多く、今の時期、花粉が下流に積もって黄色くなることもあります。

その先進むと、至る所に「青石」を使った美しい石垣が見られます。割ると平らになる特徴があり、美しく積まれました。
東之川では、この青石を活用した石垣が多く見られ、腕の良い職人がいたことがうかがえます。ただ、手入れされていないスギやヒノキが成長し、至る所で石積みが崩壊する懸念も生じています。

東之川には、「伊藤さん」や「工藤さん」が多いのだとか。「藤」の字がつく名字が特徴です。

かつての住居跡。人が住まなくなると、自然へと還っていきます。

しばらく進むと、「東之川駐車場」があり、公衆トイレも完備されています。ここで一度休憩するのが良いでしょう。

昔は、山一帯が段々畑になっていました。

先ほどの駐車場あたりで市道東之川東西線は終了。「市道大保木22号線」に名前を変えてまだまだ続きます。

 

 

この写真は「休場(やすば)」と呼ばれる場所に残っている、特に裕福だった家の跡地です。

この場所は、かつて人々が石鎚山を眺めながら休憩した場所であり、現在は植林の間からわずかに山頂を望めます。約2時間の距離には銅の鉱山があり、明治時代には最大70世帯が暮らし、焼畑や林業、三椏(みつまた)の栽培で生計を立てていました。
崩壊が進み近づくことはできませんが、休場の蔵跡には当時使われていた家財道具がそのまま残されています。
ツアーではこの辺りで駐車場に引き返し、「おたるの滝」へ向かいます。

 

おたるの滝は、西条市の「名水・名木50選」に選ばれています。
高さ約20mを流れ落ちる滝は、秘境ならではの神聖な雰囲気を持ち、かつてはこの水で酒造りが行われていたという伝承もあります。また、滝の上にはかつて、お稲荷さん・金毘羅山・天神山が祀られていました。

これは欅の木です。こういった谷の場所に育ちます。
太鼓とか餅つきで使われる臼などに活用されていました。

 

3-2.ペンダントづくり

東之川エリア散策のあとは、ふれあいの里に戻り、お昼ご飯を食べます!

その後アクティビティとして、木のペンダントを作りました!
このペンダントづくりには、ふれあいの里近くで育った間伐材が使われており、保全活動の一環です。

自分で形を整え、磨き上げることで、世界に一つだけのペンダントが完成しました!木のぬくもりを感じながら、東之川の自然を身近に感じることができるアクティビティです。

※「石鎚ふれあいの里」公式HPはこちら

 

3-3.フレンチ料理も!

ふれあいの里に最近オープンした、古民家「ハレ」にて夕食をいただきます。

高知県いの町の山岳地帯に佇む隠れ家レストラン「cafe & bistro 木の根 に萌す。」のオーナーである唐木田シェフによるフレンチをいただきます。

山に生息している鹿や猪を使ったジビエ料理。鹿もも肉がとろけるように柔らかく、猪のボロネーゼも臭みなく絶品!自家菜園の野菜や手作りスイーツも素晴らしく、贅沢なひとときでした。

※「cafe & bistro 木の根 に萌す。」公式HPはこちら

3-4.宿泊はケビンと石鎚別荘ハレ棟

おいしいフレンチをいただいた後は、石鎚ふれあいの里ケビン(写真)と、石鎚別荘ハレ棟(先ほどフレンチ食べた宿)に宿泊します。

※「石鎚別荘ハレとあお」公式HPはこちら

以上にて東之川探訪モニターツアーは終了しました。

4.ツアーについて

今回紹介した石鎚山麓をめぐるツアーは、今秋からスタート予定です。

詳細は西条市観光物産協会HPをご覧ください。(TEL:0897-56-2605)

 

5.情報提供お願いします!

昔の暮らしやかつての東之川について、現在ヒアリングを行っていますが、まだまだ情報が不足しています。

もし何か知っていることがあれば、ぜひ情報提供をお願いいたします!

どんな些細なことでも、地域の歴史や暮らしに関することをお聞かせいただけると大変助かります。ご協力よろしくお願いします。

 

【問い合わせ先】
(一社)西条市観光物産協会
TEL 0897-56-2605
FAX 0897-47-3733
お問い合わせホーム https://saijo-imadoki.jp/contact/

 

6.東之川のこれから

東之川の集落跡は、自然と人々の共生の歴史を伝える貴重な場所です。
元住民・行政・民間有識者が協力し、遺構の保存と活用を模索してきましたが、課題も多く残されています。現在、地域全体でサステナブルな観光資源としての活用が進められ、魅力を引き出しながら、新たな発見を提供できる場となることが期待されています。

最終目標は、かつての東之川の姿を取り戻すこと
そのために、地権者の理解を得ながら過密人工林の間伐を行い、集落の遺構を露呈させていく必要があります。SDGsの理念を共有し、持続可能な再生を目指しながら、地域一体となった取り組みが求められています。

そのためには、まず多くの方に東之川を知ってもらうことが何よりも重要です!
多くの人にこの場所の価値を伝え、関心を持ってもらうことで、保存・活用に向けた取り組みが大きく前進していきます。

私が書きました

LOVE SAIJO 編集部

LOVE SAIJO 編集部

LoveSaijoを運営する編集部のアカウントです。

この投稿者の記事一覧へ

関連記事

FOLLOW US

西条市の最新情報や関連ニュースをCHECK

Instagram Facebook LINE Twitter You Tube