アプリは使うものじゃなくて作るもの⁉西条農業高校生がアプリ開発に挑戦!
LOVE SAIJO 編集部 2022年11月18日
1.皆さんの携帯にはどんなアプリが入っていますか?
LINE、PayPay、ゲーム、家計簿など、普段から皆さんはたくさんのアプリを使っていると思います。
そして誰でも一度は、「ちょっと使いづらい」と感じたことがあるのではないでしょうか。
そんな時、別のアプリを試してみるか、我慢してそのまま使い続ける人がほとんどだと思います。
しかし、自分で使いやすいアプリを作る。そんな選択肢を選べる世界がすぐそこまで来ているのかもしれません。
西条農業高校生が取り組む全国的にも珍しいアプリ開発授業を取材しました!
2.スマート農業を実践!
西条農業高校 生活デザイン科では、栽培した野菜の調理・加工~高校生レストランでの提供・販売実習までも行い、野菜の生産から消費者に届くまでのサプライチェーン全体を学んでいます。生徒の進路目標に合わせて、園芸科目、被服科目の学習・資格取得も可能で生活に密着した幅広い学びができる学科です。
ITスキルや情報発信力も大切!ということで、WordやExcelはもちろんWEBページ作成やPCでのロゴ作成なども授業で学びます。
デジタル教育を積極的に取り入れており、2022年のパナソニック教育財団の実践教育助成校に選ばれた全国15高校の内の1校として、「1人1台端末を最大限に活用したスマート農業の実践とその普及~情報発信力を高め、学習成果を高める~」というテーマでの研究も進めています。
西条農業高校で実践しているデジタル教育×スマート農業の一例を紹介します。
例えば、野菜の生育記録。記録ノート代わりにタブレットを活用し、野菜の大きさや肥料の使用量はデジタル入力、スケッチは写真を撮影して行います。
すぐにデータ分析&共有が可能になりますし、雨の日でも大丈夫。鮮明な写真は生育状況の正確な把握や害虫の種類判別にも役立ち、スムーズな指導や授業全体の効率化にもつながっているそうです。
タブレットで記録をつけるために、西条農業高校では独自の記録用アプリを使っています。そのアプリを作るのに使用したのが『Claris FileMaker』です。
『農業と情報』の授業を担当する野田昇吾先生。野田先生が『FileMaker』を使って作成したアプリを授業で使用し、生徒の使用感を反映しながら独自の生育記録アプリを開発していったそうです。
3.全国で2校だけ!FileMakerキャンパスプログラム対象高校
『FileMaker』は、iPhoneで有名なApple社の100%子会社であるClaris International Inc.が提供する「アプリをプログラミングするためのシステム」で、世界中の企業、大学で使われています。
プログラミングと聞くと英語の羅列を思い浮かべる人が多いでしょうが、『FileMaker』は全く違います!沢山のスイッチを画面上の好きな場所、好きな形に配置して、スイッチAを押せばAの動作、Bを押せばBの動作など、直感的な操作で本格的なプログラムが出来てしまうんです。
なんと、西条農業高校は、2021年に『FileMakerキャンパスプログラム』対象校の認定を受け、『FileMaker』を使ったアプリ開発を高校3年生の選択授業として実施。開発したアプリの使用感を先生方に聞き取りし、改善点をアプリに反映し完成させたとのこと!まさに高校生プログラマー!
動画の続きはこちらから👉https://youtu.be/P6mOxERHK6M
このキャンパスプログラムの認定を受けているのは専門学校や大学が多く、国内の高校では、北海道斜里高校に続いて、西条農業高校が2校目。めちゃくちゃ先進的な取り組みなんです!
今年はさらにパワーアップして、生活デザイン科2年生全員向けの授業として『FileMaker』を使ったアプリ開発を行うことになり、特別にClaris International Inc.から西条農業高校へ講師が訪れての出前講座が2022年11月9日に実現しました!
4.たった5時間でアプリができちゃう!?
普段、六本木ヒルズで会社員向けに講座を行っているClarisの皆さん。
今回、西条農業高校生の生徒向けに『FileMaker』を楽しむというコンセプトでオリジナルプログラムを準備してくれました!
テーマは『西農祭のガイドアプリ』。
西農祭は、西条農業高校の文化祭。文化祭で配るパンフレットの代わりとなるアプリを想定して、校内のどこでどんなイベントをしているのか地図をタップすれば大きく表示されたり、問い合わせ先の電話番号をタップすれば電話発信ができたりといった仕掛けから、iPadで撮影した商品写真をすぐにアプリ画面に掲載したり、QRコードを読み取れば必要な情報が瞬時に出てきたりと、そんなこと5時間の授業でできちゃうの?と思ってしまうほどのスゴイ内容。
しかし、そんな疑問はすぐに消えました。生徒の皆さんの操作が速い!講師の方の説明に沿ってPCでプログラミング→iPadでアプリの動作確認とサクサク作業を進めていきます。
生徒同士で教えあったり、
分かりにくいところは野田先生やClarisの皆さんがしっかりフォローしてくださり、
iPadで撮影した写真がアプリ画面に反映されたり、QRコードの読み込みが成功した時には「おお!」という歓声があがりました。
最後に出前講座を開催してくれたClarisの皆さんへの生徒からの謝辞で講座はフィニッシュ!謝辞の大役を果たした後の笑顔がとっても良かったです!
5.西条農業高校のデジタル教育、スマート農業への挑戦は続く!
「農業の未来を担う高校生がアプリ開発に挑戦」と題して行われた今回の出前講座。
Clarisの方が「笑顔が多くて驚きました!」とお話してくれた通り、分かりやすかった、楽しかったという声が多く、講座後のアンケートでは生徒の8割がアプリ開発に興味を持ったと答えていました。
アプリの用途は、農作物の育成データ蓄積だけに留まらず、農作物や加工品の販売用レジアプリやPRアプリ、農家やレストランの経営用アプリなど、可能性は無限大です!
アプリ開発の経験は、今まで何気なく使っていたアプリを「どうやって作られているんだろう」という視点でとらえることができるようになり、探求心の育成にもつながります。また、今まで当たり前だと思っていたこともアプリを使えば簡単にできるのでは?という発想ができるようになり、課題発見能力を伸ばすことにもつながるでしょう。
西条農業高校では、今後も授業の中で『FileMaker』を使ったアプリ開発を進めていくそうです。
アプリは使うものから作るものへ。西条農業高校のデジタル教育、スマート農業への挑戦は続きます!!
▼西条農業高校さんのYoutubeチャンネルでは出前講座の様子が動画で見られます!
▼愛媛県立西条農業高等学校HP
https://ehm-saijo-ah.esnet.ed.jp/
▼Claris公式ブログでも西条農業高校の取り組みが紹介されています!
https://www.claris.com/ja/blog/2021/seijo-agricultural-highschool
▼西条農業高校はドローンを使ったスマート農業にも挑戦しています!
https://www.lovesaijo.com/news/smart_agriculture/
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