―西条のアスリートに聞く―トライアスロンで得た「友人と生きる力」
さっちゃん 2018年10月12日
トライアスロンとはスイム、バイク、ランを順に行い、ゴールを目指す過酷なレースである。国でも特に愛媛はトライアスロンの大会が多く、ここ西条でも競技者は多い。
開健太40歳。彼は2016年中四国での上位入賞者のポイントレースで1 位を獲得し、さらに同年、JTU(日本トライアスロン連合)のランキングでは、エイジカテゴリー35~40 歳で3 位を獲得するなど、日本でも上位に立つアマチュアのトライアスリートであった。
しかし2017 年不慮の事故で左腕を切断寸前までの事故にあい、橈骨神経麻痺となってしまう。誰もが復帰は不可能と思っていたが、彼はリハビリとトレーニングを続け復帰。事故から9か月後に室戸ジオパークトライアスロンで優勝。その後、よりハード大会を求め今年8 月はオフロードトライアスロンという、コースが山の中という大会でも見事優勝した。
西条の市民スポーツ賞も受賞するなど活躍中の彼に、一時再起不能になりながらも競技に復帰するその魅力を聞いてみた。
―市民スポーツ賞の受賞おめでとうございます。その時の思いは?
「大変光栄なことでありがたく思います。ケガをしてもあきらめずにやり続けてきた結果が評価されてうれしいです。」
―あなたにとってトライアスロンとは何ですか?
「自己表現です。自分の積み重ねてきたものを表現する場所であり、結果が如実に表れます。
レースをしている間の自分と戦う状況では、つらい時もきつい時も自分の内面と向き合わないといけない。行くのか、引くのか?どうするのかを葛藤し、後悔や興奮などあらゆる感情が入り混じっています。そして、カッコ悪くもがく姿は、見る人によってはカッコ良く見えたりする。それが魅力です。」
―大会に出る前の練習は?
「本番のつらい時を想定したコースで練習をします。エントリーすると時間がない!時間がない!練習と回復の時間がない!と焦ります。」
―どこで練習していますか?
「黒瀬ダム、寒風山、八堂山、加茂川の河川敷です。西条は山あり、山あり、山あり(笑)で、バイクもランも自然に鍛えられる環境が整っています。」
西条市内の自然の中での練習風景
―大会が終わった後の気持ちは?
「次のレースは何だっけ?早くこの疲労を回復させないとなー、、、です。(笑)切り替えるのが早いので。練習せず体を休めるためにマッタリしているのはレース直前の3 日間くらいですね。」
―結果や順位についてはどうだったとか思わないのですか?
「結果は結果。あまり気にしないです。」
―トライアスロンで得たものは何ですか?
「友人と生きる力です。」
―最後にこれからの目標を教えてください
「生涯現役を目ざして、昔の自分には勝てなくとも、今の自分のベストを出すべく、探求と練習を積み重ねたいと思っています。」
大会のご褒美はおいしいお酒だと笑う彼。彼の目にはもう次の大会がみえているのだろう。